広報レポート★思わず行ってみたくなるシリーズ第❸弾
「臼田宇宙空間観測所と美笹深宇宙探査用地上局に行ってみた」

2022年6月某日。　「臼田宇宙空間観測所」と「美笹深宇宙探査用地上局」へお邪魔させていただきました。
「観測所？ 地上局…？？？」とお思いの方にご説明いたしますと、

臼田宇宙空間観測所
彗星や惑星や小惑星のような天体に接近して観測を行います。深宇宙探査機に向けて動作指令を送信したり、探査機からの観測データを受信する日本で1番大きなパラボラアンテナ（64m）がある観測所です。
　
📡詳しい概要はこちら➡追跡ネットワーク技術センターの拠点

美笹深宇宙探査用地上局
臼田宇宙空間観測所の地上局を継いで、今後の深宇宙探査用ミッションを確実に支えるためにできた新しいアンテナ（54m）。「はやぶさ２」から採用したKa帯にも対応できます。
※深宇宙：地球からの距離が200万km以上の宇宙
　
📡詳しい概要はこちら➡美笹深宇宙探査用地上局（MDSS）

さて、見ての通り目的地はかなりの山の中にあります。
🚄北陸新幹線「あさま」に乗り「佐久平駅」下車。レンタカーで臼田宇宙空間観測所（以下「臼田」）へ向かいました。
車のナビ通りに佐久平駅から臼田へ向かった所、実は一般の方向けルートではない慣れた人用の険しいルートが表示されていたようで、まるでテレビ番組の「ポツンと…」でよく見るような険しい道のりでした。
　
📡佐久平駅から臼田宇宙空間観測所までのアクセスはこちらを参照➡そうだ、臼田行こう！

上の画像はわりと道幅が広いですが、佐久平→臼田も、臼田→美笹の道のりも、とにかく急カーブに次ぐ急カーブで道幅もかなり狭い所がほとんどです。
運転していると鹿と並走することはよくある事だそうで、急に飛び出されてぶつかることがあったり、頬袋にエサを詰め込んだリスが道の真ん中でボーっとしていて悲しい事態になることがあるという…。（鹿画像は臼田勤務の方より提供していただきました。）

そこで、臼田よりお願いです（美笹も同様）。

「本当にこの道であってる！？」と不安が続きますが、この案内板が出てくればゴールはもうすぐ（3km）です。

入口の案内板です。一般の方はアンテナの手前まで見学することができます。

到着したらまずは車を駐車し、受付をします。

受付前に展示されている「太陽系スケールモデル」。「水星」は目も凝らして見るべし。
( 👁 д 👁 )水星小っさ！

展示棟に入るとまずは臼田のオリジナルカプセルトイがあったので缶バッジGET。青を基調とした展示は美しく整理されており、落ち着いて見学できます。

64mのパラボラアンテナはかなり近づいて見ることができるので、迫力のある写真が撮れます。この時期は色とりどりのルピナスが咲いていてキレイでした。

臼田宇宙空間観測所では見学者の方へ特製アンテナカードをプレゼントしています。デザインは2種類！

そして臼田から美笹へ。ここでもなかなかの険しい道が続きます。
美笹へのアクセスは、一度国道141号線に出ていただくルートがおススメです。
佐久平駅からのご紹介になりますがこちらをご参照ください。➡ 美笹深宇宙探査用地上局へのアクセス

「美笹深宇宙探査用地上局」（以下「美笹」）は見学施設ではありませんので中に入ることはできません。

「美笹」を右手に見つつ少し先へ進むと、見学者専用駐車場があり、バスは1台、乗用車は6台駐車することができます。
　
美笹より、アンテナをご見学される方へ大切なお願いです。

さて、「美笹の貴婦人」と呼ばれる54mパラボラアンテナ。
GREAT2プロジェクトチーム プロジェクトリーダー内村 孝志さん曰く
　
「私はこのパラボラアンテナを“美笹の貴婦人“と呼んでいます。
臼田のパラボナアンテナとは異なり、美笹局は反射鏡の背中に太陽光による熱対策のためのカバーをつけているんです。カバーをつけるなんて、着飾っているでしょう(笑)だから美笹局のパラボラアンテナは女性のイメージなんです。先日、NASAの研究者たちが美笹局にも訪れたのですが、現物を見た瞬間、『ビューティフル！』と。同じ仕事を担う者として共感してくれたのだと思ってうれしかったですね」
とのこと。
　
📡こちらの記事はJAXA's81号で読むことができます➡美笹深宇宙探査用地上局の大型パラボラアンテナ
　
📡筑波宇宙センターで以前ご紹介した深宇宙探査用地上局 プロジェクト｢GREAT」の企画展データはこちら➡GREAT展（PDF）

54mのパラボラアンテナが動く様子は、秋ごろ開催予定の特別公開で見られるかも！？